全日本選手権
大会:第89回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース
場所:広島県中央森林公園 サイクリングロード
距離:12.3km×15周(184.5km)
日時:2021年10月24日 11時スタート
結果DNF(62位-1lap)
地元広島で開催された全日本選手権に参戦してきました。
緊急事態宣言も解除され、夏以降から徐々にトレーニングを変化させて調整した全日本選手権になりましたが、レースに出れていない期間が長かったため、私にとっては約3ヶ月ぶりのレースとなりました。
結果はラスト5周のペースアップでいったん離れるものの、その後集団に追いつき、ラスト3周で再び千切れてしまい、ラスト1周でDNFとなってしまいました。
短時間で急激なペースアップがある苦手な展開でしたが、苦手な部分を少し克服できたかなと思えるレースでした。
以下、レースレポートになります。
【準備編】
10月下旬ということもあり、気温も低く冬一歩手前という気温でのレースになった。この日のために、トレーニングや調整、ホイールも新しく導入した。
トレーニングでは、落ち切った基礎筋力を戻すため、BIG3と呼ばれるウエイトトレーニングを取り入れて筋力向上を図った。BIG3はスクワット、デッドリフト、ベンチプレスになるが、これに加えて、腹筋ローラー、懸垂、ケトルベルスイングを取り入れた。また、ロードでは、週末にベースライド、平日に最大漸増負荷の向上を目的とした短時間トレーニングを取り入れていた。
機材面ではとにかく安くて軽量なクリンチャーホイールを探して購入した。少し構成も拘ってディスクローターはKCNCの軽量ローターを6ボルトからセンターロックアダプターを用いて装着。リムテープではなく、クリンチャープラグを用いて軽量化し、中のチューブは流行りのポリウレタンではなく乗り心地と路面抵抗の低減を狙ってラテックスチューブにした。ホイールがワイドリムではないため、タイヤは25cをチョイスした。
クリンチャーホイールを選択した理由は整備性(ランニングコスト)が良い事。レース前にパンクしてもクリンチャーであれば瞬時に修理することが出来るが、チューブラーやチューブレスでは修理に時間がかかってしまう。また、レース用の機材にシーラントを入れたくないという想いもある。
食事に関してはそれほど節制しているわけではないが、朝食前にbcaaとプロテインを補給して筋トレ(7時-8時)を習慣化することが出来たため、自然と身体が絞れてきた。しかし、筋量が復活したので、体重はそこまで減ることはなかった。
しかし、最大パワーが増加することで全体的な底上げが行われた感覚があったため、今後もウエイトトレーニングは続けていきたい。
しかし、課題となっていた最大漸増負荷の底上げは思ったほど向上しなかったため、今後はここを上げていけるようなトレーニングを行いたい。
【レースレポート編】
前日にカーボローディングを行い、当日のアップは少し多めに行った。
アップは10分z1⇒3分z3⇒5分z4⇒2分z5と段階的に上げていき、10分のアベレージをz4くらいに収めるが、少し足りなかったかなと思う。z7以上を1本入れた方がより脚が回るだろうなと後々感じた。
気温も低いこともあって1ボトルでスタートラインに並ぶ。レース展開については、様々なメディアや選手から発信されていると思うので割愛するが、かなり緩急の激しい苦手な展開のレースとなった。
私の脚質的に5分より長いパワーが参加選手と比較して相対的に低いのは重々承知していた。三段坂の下の橋から上まで4分-5分になるので、下からペースが上がると千切れてしまうことは容易に想像できていた。
すると3周目に恐れていた橋からペースアップが始まり、橋の50秒区間は450w以上で進む。そのまま上りに突入し、ハイペースで登っていく。例年ならこの展開ですぐに集団からドロップしていたと思うが、頂上までクリアすることが出来た。
その後、集団はスローペースに落ち着き、遅れていた人も追いつき始めた。
レース中盤も気温が上がらずまったりとした空気が流れていたため、体力の消耗が大きく、固形物が食べたくなった。
ここで、体力の消耗が大きいというのは、比較的z1-z2の滞在時間が長く、負荷が上がらず心拍も上がりきらないため、深部温度を上げようと末端が冷える感覚があった。これに加えて身体の糖質が抜けている感覚があり、攣りそうな感覚にも陥っていた。
残り7周のタイミングで「次パンが欲しい」と伝えた後に徐々にペースアップが始まってしまった。もう少し早めに取ればよかったと後悔するも、取らない方がリスキーなので、ペースが上がっても補給を取る事を選択し、残り6周で無事にあんパンをゲットした。
残り5周の三段坂で再び大きなペースアップがあり、一旦集団からドロップしてしまうも、10名程度のグルペットが上手く機能して残り4周の三段坂手前で再び集団に追いつく。
少し休むものの、既に脚と腰が限界を迎えており、残り3周の三段坂で再びドロップしてしまった。少し前に大きな集団が見えていたが、追いつくことが出来ずに、残り1周でレースから降ろされてしまった。
死ぬ気で展望台の上り坂を突っ込めば、前の集団にジャンプできたかもしれないと思うが、そもそもレースをしていないので、そこまでの体力が無かった。完全に力不足を否めない。
【考察編】
最終的なグルペットになったメンバーを見ると、こういう展開が得意であろう選手もグルペットに含まれていたことを見ると、少し成長を感じる部分もある。
その中で、各パワーゾーンは下記の通り。
Z1 Active Recovery 0% - 55% 1h49m
Z2 Endurance 56% - 75% 32m15s
Z3 Tempo 76% - 90% 26m42s
Z4 Threshold 91% - 105% 27m15s
Z5 VO2 Max 106% - 120% 30m11s
Z6 Anaerobic 121% - 150% 34m40s
Z7 Neuromuscular 151% + 17m37s
SS Sweet Spot 84% - 97% 23m22s
中央森林公園においては、全体像で見てみると、ゆったりとした展開で進んだ全日本選手権だが、思ったよりz2が少ない。どちらかというと、脚を止めているか、z3以上で踏んでいるかのどちらかになるかと思う。
全体像から見るとベースアップはもちろんのことだが、それ以上にvo2maxや無酸素運動が必須であることが判る。また、私が苦手とする5分程度の上りというのは、一般的に最大酸素摂取量付近の運動持続時間が4分で頭打ちになるということと関係していると思う。この持続時間は不変的なものになると思うので、z5以上のパワーを全体的に上げる方がトレーニングの内容として正しい方向ではないかと思う。
一方で、3周目のラップを見てみるとAPは230程度だが、NPは320程度になる。時折、700wを超える瞬間もあり、ダッシュに近い動きになっている。三段坂では橋の1分弱450wを踏んだ後に麓から展望台までAP380wとなっている。
これまでの私は確実にここで離れていたと思うが、この周に思っていたことは、次の周も同じペースだったら千切れるかなという体感だった。また、ホームストレート手前の上り坂では10秒750w程度で踏んでおり、かなりハイペースだったことが判る。
これらから、夏以降のトレーニングプロセスは間違っていなかったという事が判る。来年以降は、強い人たちのパワーカーブに近似するようにトレーニングを積み重ねていきたい。
【まとめ】
この度、私のわがままでJPT最終戦であろうTTとロードレースをパスして全日本に出場させて頂きありがとうございます。また、この大会に参加するにあたり多くの方にサポートして頂きスタートラインに立つことが出来た事を感謝申し上げます。
結果は満足できる内容ではありませんが、ここまで積み上げていくプロセスを楽しむことが出来ていたことや、チームメイトや若手が育つ姿を見る日々を楽しく感じていました。
これでシーズンは終了となりますが、日々様々なことを模索しつつ、広島県全体の自転車競技の底上げや自転車を通じた“まちづくり”等の地域活性化にもかかわっていきたいと思っております。
引き続きeNshare racing teamをよろしくお願いいたします。